自主調査
Z世代はサステナビリティやエシカル意識が高いと言われます。インテージで実施した自主調査の結果でも、サステナブルな行動レベルの高い人の割合は、大人世代よりもZ世代の方が高い傾向が見られました。
図表①は、インテージが作成しているサステナブル行動セグメント*で、行動レベルの高い順にSuper/ High/ Moderate/ Lowに分類される人の割合を示しています。大人世代に比べて、Z世代の方が最も行動レベルの高い「Super」に分類される人の割合が5ポイント程度高いことが分かります。
*「サステナブル行動セグメント」=45のサステナブル行動リストについて、どの程度行動しているかにより、生活者をSuper/ High/ Moderate/ Lowの4層に分類。サステナブル行動リストについては以下の記事をご参照ください。
→サステナブルな行動、どのくらいの人が行っている? ~生活者調査から見る、日本のサステナビリティの今① – 知るギャラリー by INTAGE
https://gallery.intage.co.jp/sustainability1/
また、45のサステナブル行動リストの中でも、Z世代は取っている行動に特徴が見られました(図表②)。「ボランティアに参加/団体に寄付」や「コンポストをしている」など、実践するのに労力のかかる行動や、「フェアトレード」や「動物の福祉」など自分ゴト化しにくいと思われる「海外」「動物」に配慮した行動は、Z世代の方が大人世代よりも高い傾向が見られます。一方で、節電・省エネなど従来型のエコな行動は、大人世代よりも全体的に10ポイント程度低い傾向が見られました。
Z世代は学校でSDGsについて授業を受けるなど、上の世代に比べてSDGsやサステナブルな行動自体は身近な存在になっていそうです。一方で、授業で扱われることによりお勉強要素が強くなったり、「日常」から離れたりしてしまう可能性もあるかもしれません。
インテージクオリスにて実施したミレニアル世代/Z世代/α世代を対象にしたインタビュー<https://gallery.intage.co.jp/technative-3/>でSDGsの認知と購買行動への影響について聞いてみたところ、Z世代にとってSDGsは総合の授業などで取り上げられていて認知は進んでいるものの、普段の買い物のときにはSDGsを意識していないという傾向が見られました。そもそも、SDGsが訴求されていたりSDGsに関連している商品を思いつかないとの声も聞かれました。
上記の定量調査でご紹介したような【実践するにはそれなりに労力やお金がかかるけれど行動をするZ世代】と、インタビューで我々が出会った【知識としては持っているけれど普段の購買行動には結び付きにくいと答えるZ世代】は、一見矛盾があるように思えます。また、メディアやSNSで見かけるような、自分たちで世界を変えていこうと声を上げ、仲間とつながって活動するZ世代のイメージとも乖離がありそうです。
そこで、Z世代における「サステナビリティやエシカル意識が高い」とはどういうことなのか、特に消費行動にどのような影響があるのかを導き出すために、インテージ R&DセンターのZ世代リサーチ研究分科会では9人のZ世代にインタビューを実施しました。
インタビューには、インテージのサステナブル行動セグメントで「Super」「High」に分類される、15~25歳のZ世代(高校生/大学生/社会人)にご参加いただきました(図表③)。
インタビューでは、それぞれの参加者の関心のあるテーマについて、ご自身の関わりのヒストリーを語ってもらったり、自分の気持ちをビジュアルに投影させることを通して本質的な気持ちを探り出す投影法<https://www.intage-qualis.co.jp/service/list.html>を用いて、サステナブルな行動を取るモチベーションを探ったりしました(図表④)。
第2回では、インタビュー対象者それぞれが関心を持つ社会課題を意識し始めてから今に至るまでの気持ちや行動の変化から、気持ちの上がり・下がりに影響する要因や、行動に結び付きやすい要因についてご紹介します。
<定量調査(webアンケート)>
<定性調査(オンラインデプスインタビュー)>