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コラム

話題の「SDGs」「サステナビリティ」、ブランドや商品選択への影響は?

2021.04.23
株式会社インテージクオリス リサーチ推進部 部長  星 晶子

最近「SDGs」や「サステナビリティ」という言葉を目にすることが多くなったと感じませんか?民放や新聞で特集されるなどメディアで目にする他、「エコ」「サステナブル」を訴求した広告や商品を見かけることも少なくありません。また、2020年7月に始まったレジ袋有料化をはじめ、2030年に向けて温暖化ガスの排出を46%削減(2013年度比)する目標を打ち出すなど、政策的にもサステナブルな社会・環境の実現に向けた取り組みは今後ますます推進されていきそうです。

では、一般生活者はどの程度、サステナビリティを意識し、行動を取っているのでしょうか。株式会社インテージが昨年1月に実施した自主調査では、サステナブルな45の行動について、どれだけの人が実施しているかを聴取しました。調査結果からは、省エネや節電・節水、リサイクルなど従来から行われてきた行動は8割以上と多くの人が行っているものの、「フェアトレード」や「動物の福祉」といった比較的最近一般的になってきた概念に基づいた行動や、ボランティアや寄付、コンポスト、肉食を減らすなど実践するには自分の時間や労力・お金をかけることが必要な行動については、まだ浸透が進んでいないことが分かりました。

とは言え、レジ袋有料化のように法律やルールが変更されたり、教育の影響などにより社会規範が変わったりすることにより、急激な変化が起こることもありえます。また、一昔前は重要度が低かったことが今後は当たり前になっていく、といった消費価値観の変化も起こり得るでしょう。そこで、本記事では、2020年4月に実施した「超先進層」を対象にした自主調査から、今後、サステナビリティがブランドや商品の選択基準にどう関わってくるかについて、ヒントを探っていきたいと思います。

この自主調査での「超先進層」は、イギリスのコンサルタントLida Hujic氏が構築した、近い将来(数年後)に主流となっていく消費価値観の変化をいち早く捉えるモデル「The-First-To-Know(以下、TFTK)」に基づいて抽出しました。自主調査では、2020年4月に約10日間のオンラインフォーラムを実施、11人の超先進層にコメントや動画を投稿してもらいました。彼らの行動・言動から、注目したいキーワードと、それが一般の生活者のブランドや商品の選択基準にどう関わっていくかを考えてみます。

1つ目のキーワードは「アップサイクル」です。アップサイクルとは、捨てられるはずであったモノに新しい付加価値を持たせて、より価値の高いモノに生まれ変わらせることです。廃棄物を素材にした有名ブランドのスニーカーなど、衣類の分野で聞くことが多いかもしれません。本自主調査ではフォトグラファーのAさんが「ペットボトルを素材に作られたレインコート」を紹介してくれました。このように「スタイル」や「ストーリー」を重視するカテゴリーでは、「アップサイクル」を訴求しストーリーを持たせることによって魅力を高めることもできそうです。

2つ目のキーワードは「脱使い捨て」です。自主調査では、DJのKさんが「月経カップ」、ヨガインストラクターのMさんが「蜜蝋製の食品ラップ」を紹介。これまで使い捨ての商品が用いられてきたものを、洗って何度でも使えるものに切り替える例が見られました。

また、「使い捨てプラスチック」の削減についてのコメントも多く見られました。特に海外出身者は、日本で売られている商品は何枚ものビニールに包まれていて包装が過剰と感じているようです。日本人の一般生活者へのインタビューでも、「ゴミが増えないようにしたい」という声は聞かれており、例えば多層になっているビニールの包装のうち1枚減らすことでも、「エコ」をアピールできると同時に、生活者の「ゴミを減らしたい」というニーズに応えるものになるかもしれません。

3つ目のキーワードは「言行一致」です。最近は、「エコ」や「サステナブル」「エシカル」を謳うブランドも少なくありませんが、超先進層からは真摯に取り組もうとしているのか、マーケティングのためだけなのか見極めたいという声が聞かれました。「エコ」「サステナブル」「エシカル」を訴求するときには、最近よく聞かれるauthenticity(本物、本当であること)を意識し、行動を伴っている必要がありそうです。また、「大企業がエシカルやサステナビリティを重視することで、社会の空気や風潮に影響を与える」と積極的な取り組みへの期待も示されました。

最近は学校の授業でもSDGsを取り上げていることから、今の10代より若い世代は大きく意識が違うという声も聞かれます。商品開発、マーケティングでも、SDGs、サステナビリティを意識して行っていく必要性が今後より高まっていきそうです。

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